原宿サン・アド
社屋
社屋の老朽化に伴い、50周年のタイミングでの移転が決定。新VIの計画と同時進行で、移転計画が始まりました。移転先は、少し落ち着いた北参道方面、住友不動産原宿ビル。全面ガラス張りの開放的な建物を活かすのは大前提として、クリエイティブカンパニーとしてのシズル感と機能性を両立させます。会社の顔となるエントランスは、シンプルな白い空間をベースに、単管パイプを連ねたニッチ、ラーチ合板の移動式ベンチや扉など、建材を中心としたストイックな印象に。さらに、カフェの行灯のイメージでシンボリックにセンターに配した新しいロゴマークの内照サインや、今や存在しない住所「原宿」を残したミーティングルームのサイン(実際に住所プレートをつくる工場で制作)など、原宿サン・アドらしさのあるユニークなセンスを加えています。もう一つのポイントは、ワークスペース内部がみえるワイドな内窓。クリエイティビティをライブ中継するようなアイデアで、訪れた人が社内のデティールやワークするスタッフのアクティブな活気、センスを感じとってもらえうためのもの(ちなみにガラスには、PCのディスプレイだけが見えなくなる特殊なフィルムを採用)。その対面には、蛍光アクリルのフレームが発光しているかのようなホンダ・シティと、アルミに直接モノトーンでプリントしたスーパーシビックのビジュアルという、名作広告を現代的にアレンジした見せ方で際立たせました。ワークスペースは、大きく3つのエリアで構成。前述の内窓から見えるノースエリアは、主にクリエイティブチームが利用する場所。大きな開口部から光が差し込む明るい環境に、自転車、スケートボード、本や単管パイプの棚など、インスピレーションを感じさせる要素を盛り込んでいます。センターエリアは、ノースとサウスをつなぐカフェスペース。ヴァーナー・パントンの照明、センターテーブルの石の天板、カウンターのステンレスなど、異なるテクスチャをグレートーンで統一。気軽なコミュニケーションが自然に生まれる場所として設計しました。また、サウスエリアへ入るためのステンレス製ドアは、パニックハンドルを採用。匂いや音を遮るだけでなく、働くモードを自然と変えるためのアクションとしても機能します。扉の先にあるのが、主にプロデューサーやプランナーが利用するサウスエリア。デスクで集中したり、大きなガラス面沿いの席で、人や車の往来や日の移ろいを感じながら、心地よく働くこともできるエリアです。全エリア共通で制作したラワン合板とスチールのデスク、同じくラワンの収納ボックスなど、木の質感が空間に心地よい感触をプラス。構想に約1年をかけ、2026年4月移転。新社屋は、50周年イヤー最初の注目を集めるニュースになりました。
2026.04.19
CD & AD:赤迫仁/D:長岡倫一(Replay)、三國玲衣奈/設計:UNION TEC、住友不動産/施工:UNION TEC、住友不動産/CL:原宿サン・アド